住宅ローンを支払っている最中に、債務者が亡くなったら、返済中の金融機関に「相続手続き」を行う必要があります。
団体信用生命保険に加入していた場合には、保険会社から保険金が下りて、住宅ローンは完済となるので、保険金支払いの手続きを行えばいいだけですが、加入していない場合には、相続人が手続きを行う必要があります。団体信用生命保険に強制加入のローンの場合には、相続については心配する必要はないでしょう。
相続人になる人(法定相続人)は場合によって違います。
例1 配偶者(=夫又は妻)と子がいる場合→配偶者と子
例2 配偶者と子がいなくて親が生存している場合→配偶者と親
例3 配偶者と(子と親がいなくて)兄弟がいる場合→配偶者と兄弟
例4 配偶者がいなくて(例 離婚)子がいる場合→子
例5 配偶者も子もいなくて、親がいる場合→親
などなど。
遺言や、遺産分割協議により上記例にかかわらず相続人を決めることができますが、金融機関から断られた場合には、上記例に従って、相続する必要があります。
つまり、配偶者と子1人がいるケースで、配偶者が貧乏で、子が金持ちだった場合などは、遺言で「住宅ローンの債務を配偶者に全て相続する」(財産だけでなく、「債務の相続」も可能です。)ということにしたとしても、債権者側からすれば、子からも請求したいので、その「遺言」の内容は無視し、配偶者に加え、子へ請求も可能なのです。
その一方で、相続人だからといって、莫大な債務を相続させられたらたまったものではないので、「相続放棄」をすることができます。これは、住宅などの財産と、ローンなどの債務を両方、一切を放棄することです。死亡したことを知ってから3か月以内に裁判所に届け出れば相続放棄の手続きは可能です。
相続の手続きは複雑なので、もし個別に分からないことがあればご相談下さい。
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